【PyCUDA環境構築その3】 MacにCUDA8をインストール
注意 この記事はNVIDIA製GPUを搭載していないMacbookは対象外です。
Macbook ProにCUDA8.0をインストールする手順を説明します。CUDAはNVIDIAが提供するGPGPUのためのライブラリ、コンパイルなどの統合開発環境です。要はNVIDIA製のGPUを使って並列計算するためのツール群です。
この記事は、PyCUDAでDeep LearningをするためのMac環境構築その3です。PyCUDAがCUDAを必要とするためCUDA8.0をインストールします。
記事リスト
以下のリンクから各記事に飛ぶことができます。
[PyCUDA環境構築 その1] MacにPython3/Numpy/Scipyをインストール
[PyCUDA環境構築 その2] Xcode7とXcode8をインストールして、切り替える方法
[PyCUDA環境構築 その3] この記事
[PyCUDA環境構築 その4] PyCUDAをMacOS 10.12 Sierraにインストール
開発環境
使用したMacbook Proのスペックは以下の通り。
Macbook Pro, 2014 Mid
MacOS Sierra 10.12.6
Core i7 2.8GHz/16GBメモリ
NVIDIA GeForce GT 750M 2GB GDDR5
Xcode 8.3.2 & Command Line Tools
Xcode 7.3.1 & Command Line Tools
CUDAをダウンロード及びインストール
CUDA Toolkit Download | NVIDIA DeveloperからOS、バージョンを選んでパッケージをダウンロードします。インストーラーの指示通りインストールします。
CUDAをアップデート
MacOSのシステム環境設定からCUDAを選んでInstall CUDA Updateをクリック
cudnnをインストール
NVIDIA cuDNN | NVIDIA Developerからcudnnをダウンロードします。メンバー登録が必要な場合があります。
ダウンロードしたcudnn-8.0-osx-x64-v6.0.tgzを解凍します。
# tar zxvf cudnn-8.0-osx-x64-v6.0.tgz
ファイルをシステムにデプロイします。
# sudo mv <解凍フォルダ>/lib/libcudnn* /usr/local/cuda/lib # sudo mv <解凍フォルダ>/include/cudnn.h /usr/local/cuda/include
DYLD_LIBRARY_PATHとPATHを設定
.bashrcに追加します。
export DYLD_LIBRARY_PATH=/usr/local/cuda/lib:/Developer/NVIDIA/CUDA-8.0/lib:$DYLD_LIBRARY_PATH export PATH=/Developer/NVIDIA/CUDA-8.0/bin:$PATH
変更内容を反映。
# source .bashrc
常にNVIDIA GeForceを使用するように設定
Macbook Proには省電力のためにGPUが自動で切り替わるモデルがあります。常にNVIDIAのGPUが使われるように設定を変更します。
[システム環境設定]-[省エネルギー]-[グラフィックスの自動切り替え]をオフ
Xcode7に切り替え
CUDA8はXcode8に対応していません。Xcode7.x (執筆時Xcode7.3.1が最新)およびCommand Line Toolsが必要となります。Xcode8とXcode7をインストールしている場合は、xcode-selectコマンドでXcode7に切り替えます。わからない場合は、下のエントリーを参考にしてください。
CUDAサンプルプログラム
サンプルプログラムでインストールを確認できます。ただしコンパイルに時間が結構かかります。
# /Developer/NVIDIA/CUDA-8.0/bin/cuda-install-samples-8.0.sh ~/Downloads # cd ~/Downloads # make -C 1_Utilities/deviceQuery # 1_Utilities/deviceQuery/deviceQuery # make -C 5_Simulations/smokeParticles # 5_Simulations/smokeParticles/smokeParticles
コンパイルエラーが出る場合は、Xcodeの切り替え、DYLD_LIBRARY_PATHとPATHの設定、省エネルギーの設定を疑ってみてください。